[日本焦点] コロナ禍で翻弄されるペット

殺処分が増加傾向にある、こうしたショッキングなニュースが報じられました。

埼玉県が公表した速報値では、都市部を除く数値として、2020年4月からの1年間で犬39頭、猫651頭、前年比110%の691頭が殺処分されたとしています。

なぜ殺処分が増えたのか。様々な憶測がありますが多くの識者は、コロナ禍で自宅時間が増え、癒しを求めて気軽に犬猫を購入する人が多くなったことが原因であると考えています。

一般社団法人ペットフード協会の調査によると、昨年新たに飼われた犬は46万2千頭、猫は48万3千頭で前年比113%とペット人気が顕在化しています。

ところが、コロナ禍による収入減などの影響でペットを飼う余裕がなくなり、昨年夏ごろからペットを手放したいという相談が動物愛護団体に寄せられるようになりました。

もちろん、動物愛護団体はこれまでにない数の犬猫を保護し続け、新たな飼い主に犬猫を渡そうと努力しているのですが、そもそも街頭での譲渡会を開催しづらい環境下にあって、窮地に立たされています。

それどころか動物愛護団体は限界まで犬猫を保護し続け、結果として経費を圧迫することになり財政難に陥りつつあるのです。

こうした苦境にあっても、動物愛護団体は、YouTubeでの犬猫紹介やZOOMによるオンライン譲渡会の開催など、あらゆる手段を活用して犬猫の新たな飼い主を探し続けています。

覚悟と責任を持たずに犬猫を安易に飼い、安易に手放すようなことを許す国であってはなりません。

まさに今こそ、諸外国で法制化が進む動物福祉や伴侶動物の考えを日本でも受け止める時にきています。

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写真:官庁街とビジネス街を背にする首相官邸と内閣府(オリジナル)