香港の動物福祉はコロナ禍で格下げに

政府は、香港のペットショップにいるすべてのハムスターの安楽死を発表し、同じハムスターを飼っている人たちに対して、ペットを関係当局に引き渡すよう呼びかけました。政府は動物の命を尊重せず、人々にペットの引き渡しを求める非人道的な行為を行い、国民から厳しい非難を浴びています。

地域社会ではハムスターの遺棄が相次ぎ、動物保護施設には100匹以上のハムスターが収容され、中にはケージごと路上に捨てる人もいるというから、悲しい限りです。捨てた飼い主の中には、「家族の年長者がハムスターをネズミとみなして捨てるように言ってきた」と主張する人もいます。さらに言語道断なのは、2年間飼い続けたハムスターを、この機会にと、行政に安楽死させた飼い主までいたことです。自分のハムスターは感染していないと説明されてもなお、ハムスターはウイルスを媒介するので安楽死させる必要があると言い張るのですから、とんでもない話です。

世界愛犬連盟(WDA)では、この事件は、政府高官から一般市民までの動物保護意識の欠如を反映しており、流行の波が香港の動物保護「爆弾」を引き起こしたと考えています。第1に、政府は流行を過度に防止しようとし、対策を立てる際に動物の生命を尊重しなかったこと。第2に、香港の年配者は動物愛護の知識が乏しく、ハムスターをネズミと同じだと誤解しており、チャンスとばかりに安楽死のためにペットを政府に引き渡した事はさらに心無い事です。

WDAは、国民の動物保護意識を高めるためには、法律と教育が必要であることを常に強調しており、今後もこの方向で動いていきます。現政府は、他の種の命を大切にしていないような印象を与えています。今年7月に新政府が発足した際には、他の種の生命を尊重した政策を率先して導入することを望みます。