[日本焦点] アニマルウェルフェアに目覚めた国会

アニマルウェルフェアに関する意識が世界的に高まる中、日本でもあらゆる場面で議論が展開されています。

国会審議においても同様の動きがみられ、国立国会図書館が調べたところ、衆議院と参議院の各委員会で「アニマルウェルフェア」という文言が使われたのは、2019年13回、2020年16回、そして2021年は1月と2月だけでも9回議事録掲載されています。今年は昨年の3倍以上のペースでアニマルウェルフェアが国会審議のテーマとなっているのです。

世界愛犬連盟が主張する「犬猫肉食用禁止国際条約化」に共感する議員が増え、結果として国会審議でアニマルウェルフェアに関する発言をする議員が増えたのではないかと推察します。

 一般的に日本では動物愛護を主管する環境省がメインとなる環境委員会でアニマルウェルフェアが議題となるのですが、2021年は2月だけで6回も予算委員会で議題となっているのです。本来、予算委員会は予算のすべてを審議する場であるのですが、多くの議員がこれまで少数派だったアニマルウェルフェアの議題を取り上げるようになったのです。

 環境省に11名しかいない動物愛護管理室の職員は国会対応に追われ、多忙を極めているかもしれません。

 小泉環境大臣は「動物愛護政策に携わる職員が少ない」と常に発言していますので、国会審議でアニマルウェルフェアが頻繁に議題となり、財務省が動物愛護政策を推進していかなければならないという気持ちになれば予算増につながる可能性があります。

 世界愛犬連盟が国政への政策提言を推進する姿に触発された動物愛護団体は今後も取り組みを強化することでしょう。

 それに伴い、日本政府内でも動物愛護政策が重要であるという認識に至れば「犬猫肉食用禁止国際条約化」実現へと結実すると信じて活動を継続していきます。

写真:国会近くの桜は七分咲きです(3月24日撮影)