盲導犬、聴導犬、介助犬など「補助犬」の引退後

東京オリンピックが閉幕しました。

東京は8月24日から9月5日まで開催予定のパラリンピック大会開催に向け、引き続き厳しい交通規制が課されます。

さて、パラリンピック大会は、盲導犬や聴導犬、介助犬などの「補助犬」に関する話題を私たちに提供してくれることでしょう。

日本において、補助犬は引退後もペットとして利用者がそのまま飼い続けたり、一般家庭に引き取られたり、老人ホームで飼育されたりします。

国は2020年に施行した身体障害者補助犬法によって、公共施設や交通機関、レストランなどに、補助犬を同伴した身体障害者を受け入れるよう義務付けました。

厚生労働省によると昨年12月現在、盲導犬は950頭、聴導犬は71頭、介助犬は68頭が登録されていて、その育成には国費が投入されています。

ところが、10歳前後で引退する補助犬には国費が投入されておらず、エサ代のほか、動物病院の料金や介護の費用など、補助犬としての役割を終えた犬をどう支え続けるかが課題となっています。

北海道札幌市のある協会では、引退した盲導犬を引き取り、余生を過ごす施設を寄付によって40年間も運営し続けています。

兵庫県西宮市のドッグカフェでは、引退した介助犬を「看板犬」として第二のキャリアを歩み始めてもらう試みをしています。

このように引退後の補助犬を支える社会の仕組みは、一部の人による善意によってかろうじて成り立っており、国としての一貫した制度確立には至っていません。

残念ながら、国会ではこうした議論がなされていませんが、国は社会のために尽くしてくれた補助犬を引退後もサポートし続けるべきです。

世界愛犬連盟は、香港の事例などを日本の政治に紹介し、補助犬制度改善の必要性を提案していきます。