毎年4月11日の「National Pet Day（全国ペットの日）」は、アメリカの動物愛護活動家コリーン・ペイジによって設立されました。動物に優しい都市として知られる台湾の台北市は、この祭りを2023年と2024年の両年で祝い、「Metro Taipei（台北メトロ）」と共に特別な「ペット同伴列車」を企画しました。

2023年には、「One-Day Only Pet Train（1日限定ペット専用列車）」というイベントが4月9日の日曜日に開催され、ペットオーナーの参加をスムーズにしました。ペットオーナーは事前にイベントにサインアップする必要があり、30組のオーナーが参加しました。このイベントは、日本の新幹線の「ペット輸送車両」からヒントを得て、ペット達がオーナーと一緒に座席で、　ケージに入れられることなく旅行できるようにしました。

2023年の成功体験を元に、台北MRTは今年、ペット同伴列車のイベントを拡大し、3月31日の祝日に開催しました。4つの列車を投入して16の列車サービスを提供し、これらの特別な列車にペットを乗せることができました。ペットオーナーは今年、このサービスを体験するために事前にサインアップする必要はありませんでした。

しかし、台北MRTが今年の3月6日にイベントの詳細を発表したところ、猫のオーナーから反発がありました。猫のオーナーは、「犬と猫が同じ車両に乗る」ことと、「ケージフリーの旅行」が台北MRTの元々の計画であったことに対して、実際には、猫が見知らぬ人や犬と直面したときに緊張を高め、敏感な性格の猫にとっては攻撃的な行動を引き起こす可能性があると苦情を言いました。

台北MRTは、イベント前に迅速に対応し、計画を調整しました。サービスは犬向けの車両2台と猫向けの車両2台に分けられました。また、猫向けの車両の3両目と4両目の間にフェンスが追加され、猫の安全が確保されました。さらに、ペットの飼い主に対して、ペットがイベントに参加するのに適しているかどうかを見極めるように、そしてイベントの旅を通じてペットをハーネスやリードをつけておく必要があることを確認しました。

一日限りのイベントではありましたが、台北MRTは事前に十分な計画を立て、イベント当日には追加の人員を配置しました。各列車には、獣医師、ペットトレーナー、警備員、清掃スタッフ、メンテナンススタッフ、サービススタッフが配置されました。イベント後、車両は直ちに車庫で清掃され、その日に特別に使用されたエアコンのフィルターも交換されました。

イベントの写真を見た獣医師は、ペットの飼い主が犬を車両でケンカさせたり、遊ばせたりするなどの、不適切な行動を指摘しました。さらに、これらの行動は他のペットの飼い主に対する礼儀を欠いているだけでなく、ペットを飼っていない人やペットが好きでない人に対する尊重を欠いていると考えています。ペットがMRTを利用する際にはおむつを着用し、座席を占有しないようにすべきだと提案しました。座席を占有しなければならない場合、飼い主は自分の敷物などを使用するべきだと述べています。

台湾の飼い主は、ドイツでは犬や猫がケージに入れられずに公共交通機関に乗れるという事実を羨望の眼差しで見ています。ペットの飼い主にとって、自分のペットがドイツのペットと同じ様にこの特権を楽しむことを許されている事と、同等のエチケットを守ることができるかどうかは、確かに考えるべき問題かもしれません。」