台湾で横行する野良犬、野良猫の毒殺  愛護活動家が議員に請願

2020年11月25日、 高雄市大樹区の畑で毒入りのパンを食べた野良犬が鼻と口から血を流し死んでいるのが発見されました。 この事件は氷山の一角です。

台湾の「動物保護法」第25条-1: 「動物の死を引き起こすために薬物を使用することは、 2年以下の有期投獄はたは刑事拘禁、 および20万台湾ドル以上200万台湾ドル以下の罰金によって処罰される。 動物の死の状況が深刻な場合、 1年以上5年以下の有期投獄、 および50万台湾ドル以上500万台湾ドル以下の罰金を科す。」

動物の毒殺に対する罰則は非常に厳しいものとなっております。 論理的には、 動物虐待事件を効果的に減らすことができるはずですが、 台湾全域では依然として毒殺事件が後を絶ちません。 なぜでしょう? 2020年2月9日、 動物救助グループを中心とする10の保護団体が台湾の人々は動物の毒殺が刑事事件であると知らず、 警察に通報が困難な動物の毒殺事件の解決に結びつく事を願い蘇治芬議員に請願書を提出しました。 頻発する動物の毒殺事件は深刻な犯罪性を帯びています。

「台湾動物保護法研究協会」の顏紘頤弁護士は毒殺事件の最大の犠牲者は野良犬であると述べました。 一度の毒の仕込みで同時に複数の犬を殺害できます。 例えば、10月中旬には、 新竹市で6匹の犬と5匹の猫が毒殺されました。 高雄では11月下旬に毒が仕込まれたパンを食べた6匹の野良犬が中毒死しました。 それらの犬の世話をしていたボランティアの方は大変悲しみました。 

台湾の議員蘇治芬(カメラに向かって正面)は、 動物毒殺事件に関する請願を事務所に提出した動物保護団体と面会しました。 農業評議会動物保護課の尤捷平/チーフ(写真左)も同席し関連事項に対する質問に答えました。

「台南徐春水アニマルホーム」の責任者である徐春水氏は、 農業評議会の記録によると、 2018年末の「殺処分ゼロ」政策の施行後、 台湾には14万匹以上の野良犬と33の公共シェルターが存在していると言います。 最大収容数はわずか7,000匹あまりです。 ほとんどの犬は一生を外で暮らさねばならないことがうかがえます。 餌を与えたり、 世話をしてくれるボランティアもいますが、 犬を嫌う人々もまたおり、 「人間と犬の対立」が生じています。  野良犬の去勢、 清潔な餌やり、 問題犬の排除など、 全ての必用事項は管轄当局が実行する必要があります。

毒を仕込んだ餌を撒くのは高齢者が多いことを 顏紘頤氏は指摘します。 彼らは動物を毒殺することが罪の重い刑事事件だと知りません。 報告書に向き合った時の警察の否定的な態度と相まって、 これらの人々は簡単に犯罪を犯す可能性があるのです。 毒殺事件が起き、 正常に書類作成がなされ、 警察官が積極的に捜査をしている場合にも依然として司法制度には不確定要素が多いのです。 顏紘頤氏は「警察は事件を解決し、加害者は毒殺を認めた。 しかし、検察官は “軽犯罪は起訴しない” との理由から、 この事件には不起訴との判決を下した。」 という実際の事件をその証として用いています。

「台湾新竹TNVR」の 邵柏虎代表は、 標準作業手順書の策定の重要性を打ち出しました。 彼自身の両親や母親たちが毒殺された野良犬や野良猫を目撃したのですが、 どうすることもできませんでした。 担当者が現場に到着しても現場の写真をとるのみで、 時には内容を知りもせずにその犬や猫の死体をゴミ箱に捨てようとすることすらありました。 調査を容易にするためには、 証拠の保全が必要で、 それがなければどのように事件について話し合い、 解決することができるのでしょうか?

動物保護団体の求めるもの:

1. 動物保護の権限をもつ農業評議会は、 動物の毒殺は法的に重罪であるという現実の周知徹底をはかり、 動物の生命を無視する人々を抑止すべきである。

2. 農業評議会、 警察署、 そして法務省は、 第一線で動物保護を行っている者が提供する情報に基づいて、 動物保護刑事事件を処理するための標準作業手順について共同で議論し、 それを策定すべきである。

3.警察および司法職員の動物保護に対する意識を高め、 「動物保護法」に関する理解を深める。

蘇治芬委員は、 動物の毒殺事件と刑事責任を市民に理解させるため、 記者会見を開くことを約束しました。 さらに重要な点は、 警察と法務省の代表者がその場に招待され、 動物保護団体からの要請についても話し合う予定であり、 具体的な質疑応答がなされることです。

著者メモ:

※台湾では「ロビー活動法」法案が提出されていますが、制定されておりません。 理由は、 議員に面会することがそれほど難しくないことと、 地域の議員事務所は人々が請願するのにとても便利な場所となっているためです。

※農業評議会の報告によると、 2018年時点で台湾には146,773匹の野良犬がおり、33の公共シェルターが存在します。  

最大収容数は 7,614匹です。