犬達の人生に尊厳を、そして痛みのない旅立ちを

世界愛犬連盟は2014年以来、 世界中の犬肉の食用禁止の明確な法制化を提唱しています。 私たちの基本的価値観は、 あらゆる種類の生命を大切にすることであり、 人々の最良の友からまずは守りたいと考えています。 犬の法的地位の向上を目指し、 犬が食べ物として扱われず、 血統や価値に関係なく、 基本的な権利を保障するのです。

 

世界愛犬連盟は、 あまり友好的でない態度、 不十分なケア、 遺棄、 虐待、 虐殺、 野良犬の壊滅措置など、犬に対するいかなる虐待行為も容認したりしません。 しかしながら、 安楽死は重篤な病気や怪我の痛みを和らげるのに役立つという考え方であり、 重篤な病気や快復する見込みのない怪我などの場合は、 動物福祉の一種とみなすことができます。

 

私たちの韓国のパートナーであるCAREが最近、 犬の安楽死実施に関して論争を巻き起こしています。 世界愛犬連盟は批判の山に対するCAREの落ち着いた態度に感心しています。 パク・ソヨン代表は 社会は安楽死について話し合うべき時がきていると考えており、 また台湾の動物福祉保護団体もシェルターでの安楽死を認めるよう政府に共同声明を出しています。  殺すことを宗教的信念から反対する人々もおります。

 

台湾政府は、 野良犬の殺害に関する政策の体裁のために、 養子縁組されずに12日以上シェルターにいる犬達の安楽死を許可しました。 これは、 安楽死は動物虐殺の一種であるという誤解を招くメッセージを国民に送りました。 その後、2017年に動物福祉法で合法とされている動物に対する「安楽死」を政府はやめました。 

 

共同声明でも明確に述べられていますが、 この「安楽死」をやめた目的は「収容期限を超えている」とう理由で、 シェルターが動物を殺すのを止めることでした。 動物福祉や公衆衛生を前提として、 安楽死は必用です。 (日本でも、シェルター動物を死に至らしめることを昔は、安楽死と呼んでいました。 現在は 殺処分と呼ばれており、 この台湾政府と動物福祉保護団体の騒動は、 「殺処分」する行為を政府が 「安楽死」と呼んだことにより、おきた一連の出来事です。 台湾政府は 期限つきの殺処分を やめたのです。 医療的理由の安楽死をやめたわけではありません。)

 

台湾の動物福祉法は、 「獣医師の診断により、 不治の病または感染症、 公衆衛生と保安上、危険と判断される場合は、 安楽死を考慮できる」と述べています。  安楽死に関するCAREの基準によると、 「人間や他の動物に致命的に有害であり、感染性または不治の病にかかっている、 シェルターに適応できない、 または継続的に重篤な疾患に苦しんでいる」 となっており、 これらの基準は台湾の動物福祉法に沿っていることは明らかです。

世界愛犬連盟は、 苦しんでいる、 或いは死が間近の動物を救うCAREのパク代表に賛同します。 安楽死は、 全ての治療を試みた後の最後の選択肢です。 台湾のSPCAは、 効果的な治療や医療資源が無いために、シェルターで死んでゆく重篤な病気や怪我をした犬達を見てきました。 最後まで横たわり苦しむ姿には心が痛みます。 私達は、これが動物を愛する人々が見たい最後のシーンではないと思っています。

イギリスやアメリカなど高度な動物福祉基準を持つ国々では、 安楽死の必要性は決して疑いの余地がありません。  ペットや働く犬の場合、 獣医師が必要と診断した場合のみ安楽死を実施することができます。 台湾の動物福祉団体は、 専門の獣医師の決定後に話し合い、実施するやり方は最良の方法だと考えています。 感情的な動物愛好家は常に安楽死に反対するという懸念もありますが、 動物が痛みに苦しみ続けるという認識がないのかもしれません。

この安楽死の論争に対して、 世界愛犬連盟は、 安楽死は専門家によって判断され実施されるべきであると述べたいと思います。 その決定は、 医療記録と診断に基づいている必要があります。  CAREの内部会議において全会一致で安楽死が合意された後であっても、 動物病院でそれを実施するのはとても難しい決定であったと思います。 これらの動物の全てについて詳細に記録されており、 獣医師は安楽死を実施する前に専門的に分析をしたはずです。 これらのことから、 間違いによって殺された犬はいなかったと、 私達は考えております。

何年にもわたり、 犬達を救済しているパク代表に世界愛犬連盟は、 拍手を贈ります。 批判の嵐にもかかわらず、 彼女は私達の親友を救うという意志に変わりはありません。 したがって、 世界愛犬連盟は、 この大変な時期にCARE側に立つことを宣言いたします。 また、安楽死が社会で議論さるべきであることに同意します。 安楽死と動物福祉との関係性が明確になれば、 安楽死に関する規定の草案が作成されるでしょう。

世界中の犬食を根絶することとは別に、 2019年の初めに、 世界愛犬連盟はすべての犬が尊厳を持って生き、 痛みを伴わずにこの世を去ることができることを願います。