コリエーレ・デラ・セラによる玄陵へのインタビュー

インタビュー書き起こし:

 

【インタビュワー】

ルチアーノ・フォンタナ

コリエーレ・デラ・セラ編集長

 

【受ける人】

玄陵

世界愛犬連盟創設者

 

ルチアーノ:

 

貴方が設立した世界愛犬連盟によると、毎年3000万匹以上の犬が残酷に虐殺され、人間の食用のために食卓にのっていると推定されています。

 

これらの犬の70%は、家庭から盗まれたペットや路上からのひったくりだと。 実に恐ろしいデータです。

 

玄陵:

はい、とてもショックなデータです。 誰かがあなたの家族や子供を誘拐するのと同じです。 そして、拷問の末に食卓で提供されます。 これは世界的なデータです。 動物を愛する心を持っている人ならば、このデータを知った途端に心を打ち砕かれるでしょう。

 

ルチアーノ:

イタリアでは、ペットは家族の一員として扱われます。 貴方が撮影したドキュメンタリー映画 「Eating Happiness」で映し出されている映像は、私たちにとって信じられないものです。

 

このドキュメンタリーの撮影を決めた理由は、犬肉産業が実在であると西洋社会に知らしめ、西洋社会の視点を変えようという試みですか?

 

玄陵:

このドキュメンタリーの撮影に際しては、監督であるのと同時に脚本も書いていましたから、とても苦しみました。

 

シーンにある全ての現場におりました。 中国、ベトナム、韓国やタイです。

 

ルチアーノ: 

しかし、疑問を提起する人もいるかもしれません。 西洋社会では、人々は食用目的で動物を飼養し、屠殺します。 犬の命を鶏や豚のような他の動物と比較すると、違いはありますか?

 

玄陵:

犬は私たち人間の最も忠実な伴侶、私たちの家族です。 私たち人間はもっと彼らを大切にすべきだと思います。 確かに、牛肉や鶏肉のような製品の完璧な代替品を発見するまでは、私たち人間はそれらを消費する必要があるかもしれません。

 

しかし、動物達が幸せに暮らすことができる良好な生活環境を提供できることを願っています。 いかなる目的であろうとも、彼らは我々人間のために苦しむべきではないと、私は思うのです。

 

ルチアーノ:

世界の多くの国が犬猫の食用を禁止する法律につて言及しています。 1年前のリストにはイギリスとアメリカが含まれていました。 イタリアでは、議会を通過する法案があります。

 

これらの国々で犬肉を食べる光景を見る事はありません。 なぜこれらの国で犬肉を禁止する法律の可決が重要なのでしょうか?

 

玄陵:

 

アジアで犬肉の食用禁止を推進するにあたり、アメリカ、イギリスやイタリアなど西洋の国々では禁止にされていない犬肉をなぜアジアで禁止にしなければならないのか? という難問に答えることが最大の課題でした。 まずは西洋の国々で禁止しなければならなければならないのです。 そしてアジアが追随するのです。 イタリアが犬肉を非合法化するのは、そのためです。 すべての人々が追随する国際基準に相当するグローバルモデルを世界に示すことになります。

 

ルチアーノ:

この世に住む多くの人々があらゆる困難に直面しています。 動物にかまっている場合ではないと言う人々もいます。 慈善家として、あなたは動物と人々の両方を救済する基盤を作りました。 動物が同じように重要だという理由を教えてください。

 

玄陵:

 

人間は人間に関する事柄を気にするものです。  犬の事は気にしません。 ですから、私がそれを担うのです。 犬が人間社会で幸せに暮らすことが出来てこそ文明社会と言えます。 これは文明と道徳基準についての話であって、犬肉を食べるか食べないかとう食の話ではありません。 道徳的価値観の話です。

 

ルチアーノ:

国際条約がアジアに犬猫の食用禁止をもたらすと確信しますか?

 

玄陵:

そうなるでしょう。 何の疑念もありません! 非常にわくわくする良いニュースを一つお話ししましょう。 昨年3月、全国人民代表議員が、犬猫の食用を禁止する条項を含む伴侶動物法を可決する法案を中国政府に提出しました。 中国で最も有名なウェブサイトによるアンケート調査が行われましたが、結果にはとても満足しています。 120万人がこの伴侶動物法を支持し、反対はわずか3万5千人だったのです。

 

この問題は西洋社会か東洋社会の違いではないという事を、これらの数字は示しています。 中国のような東洋の国でもこれが世論です。 ですから、イタリア、アメリカ、イギリスが共に我々の提唱する国際条約化に乗り出すことで、この条約は世界を変えると確信しています。