犬猫肉の販売に対する取り締まりを強化

以前、調理済みの犬猫の肉を香港に密輸入し、ライセンスのある生鮮食品店で販売した者がいましたが、その後、忍び込んだジャーナリストが研究室でその肉の検査をしたところ、その怪しい肉は間違いなく犬猫の肉であることが確認され、世間を騒がせました。香港では1950年代から犬猫の食用と肉の販売が法律で禁止されており、食用として屠殺する目的で犬猫を所有することは違法とされています。犬猫に関する条例により、違反者は最高5,000香港ドルの罰金と、6ヶ月の禁固刑に処されます。法律が制定されて70年、犬や猫の肉が地元の店で堂々と売られることは、極めて稀ですが、隠れて肉を焼いて食べているという噂は、いまだにあります。犬や猫の肉の販売は、社会的にも法的にも許されないことです。たとえ今回の件が単発であったとしても、当局は厳しい取り締まりを行い、模範を示す必要があります。

今回発見された犬や猫はすべて食肉に処理されており、肉眼ではどの種類の肉が販売されているのか見分けることは困難でした。犬猫肉の販売に関する苦情を受けた当局は、当該店舗を訪問してライセンスを確認しただけで、疑いのある肉のサンプルを持ち帰り、詳しい検査を行わなかったとされています。

これは、かなりずさんな対応であることは間違いありません。店舗への訪問は複数回あったとのことなので、当局の最初のアプローチが間違っていたことは明らかです。しかし、マスコミによって事件が明らかになると、農水局は迅速に行動し、政府部門が事態を激しく憂慮していることを示しました。このような姿勢は、評価に値すると思います。

部局間の協力が不可欠

しかし、今回の事件で、部局間の連携を強化する必要性が浮き彫りになりました。一般市民は、犬猫肉の問題が農水局によって取締られていることを知りません。市民は、食品環境衛生局に問題を報告しましたが、当局は法の行使のために農水局に速やかに連絡するのではなく、施設を訪問し、ライセンスを確認しただけで、問題を的確に解決できませんでした。問題の程度や性質が部署の執行権限を超えている場合は、現場のスタッフが上司に現状問題を報告する責任があります。上層部の人間が事態を把握したら、率先して他の関連部署に知らせ、一丸となって対処すべきです。これが正しい問題解決の方法です。ジョン・リー行政長官が言ったように、「できる政府」「達成できる政府」を実現するためには、実績を上げ、国民の不満や問題に効果的に対処していかなければならないのです。

近年、越境電子商取引が急速に発展し、本土から香港へ毎日多くの商品が出荷されてきます。今回の事件の犬や猫の肉は、本土から密輸されたものだと言われています。したがって、犬猫肉の販売に対抗するためには、食品環境衛生局と農水局が共同で取り組むほか、税関も境界管理地点での検査を強化し、輸入生肉に対する抜き打ち検査を強化し、貨物中に疑わしい肉が隠されていないかを探知犬を導入するなどして、香港への禁止肉の輸入を防ぐ必要があります。

密輸された肉は出所不明であり、食品安全上の重大なリスクもあり、 市民は購入・消費しないよう強く求められています。また、肉屋は法律を遵守し、合法的な肉のみを販売する必要があります。

市場で不審な肉を売っているのを発見した人は、すぐに政府部局に連絡し、対策を講じること。政府、市民、商業界があらゆる面で協力し、同様の事件が二度と起こらないようにする必要があります。

陳克勤

香港立法会議員

2023年2月22日の星島日報に掲載された記事全文です。