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中国の動物愛護ニュース

2021年3月11日、 中国の両会(人民政治協商会議と全国人民代表大会)が閉会しました。 今年は、政協委員と全人代代表による愛すべき犬猫達を支持する法案が次々と提案されました。

  1. 香港の 陳勇代表は、犬猫の食用を非合法化することにより国家の継続液な文明化とイメージの改善を提案しました。
    • 抑止力のある罰則と法執行機関による厳格な監督をもって犬猫の食用を完全に禁止する。
    • 初等、中等教育段階で動物保護を促進し、動物愛護のために10代の若年層や子供達を育成する
  2. 黒竜江省の 陳佐東代表は、「伴侶動物保護管理法」の確立を提案しました。 
    • 犬猫の虐待と食用の禁止。 食用目的の犬猫の飼育、窃盗、毒殺、捕獲、輸送、屠殺、販売と食用の禁止。
    • 目的: 社会主義、文明精神、伴侶動物の人道的な扱いを促進し、規範、公衆衛生、健全な環境を維持する。
    • 中国は経済と文明の世界大国になることを目指している。 安全で健全なエコシステムとバランスのとれた生態系を作り出すことによる動物のための新立法時代は、文明を推し進め国家の質を再定義します。
  3. 安徽省の 趙皖平代表
    • 「動物の公益被害事件を公共訴訟の範囲に含める」ことを提案しました。
      • 動物が関わる被害全ての事例を公益訴訟の範囲に含め、環境保護、動物保護、消費者保護の非営利団体に対する動物関連公益訴訟の権利を確立する。
    • 動物虐待を処罰可能な犯罪として明示的に盛りこむ「公安行政処罰法」の改正案。
  4. 広東省の 朱列玉代表は、 4度目の「動物虐待防止法草案」の提案をしました。
    • 法律を通じた動物虐待行為の防止と修正
    • 動物虐待に対する法律は、動物保護と自然と共存するという中国の伝統的な価値観を受け継ぐものである。 法による社会主義支配の構築のための重要な案件であり、社会主義の環境にやさしい文明構築のための強力な原動力になる。
  5. 青海の 夏吾卓瑪代表は
    • 「公安行政処罰法」における動物虐待の違法性を司法解釈の形で明らかにすることを推奨。
      • 「動物虐待動画の公共への普及と販売」は、「公安行政処罰法」に定められた“口論を生み、トラブルを引き起こす”に分類される。
      • 過程を撮影し、未成年者に動物虐待を扇動する行為は、16歳未満の人々や精神疾患者を組織化、強制、惑わし、 テロ行為や残酷な行いをさせる行為と分類される。
    • 野良犬猫の供給源を抑制するために、ペットの繁殖と販売に関する監督強化を推奨。
  6. 陝西省の 寧啓水代表は、動物愛護をテーマにした生活教育を、小中学校の教科書に取り入れるべきだと提案しました。
  7. 李志強代表は、国家レベルでの犬の管理規制の策定を提案しました。
  8. 政協の 代俊峰委員は、ペットを捨てる行為は、個人の悪い信用評価に含まれるべきだと提案しました。
  9. 広東省の 王文銀委員は、環境にやさしい文明の構築は、高等教育の構築に統合されるべきだと示唆しました。
    • 動物保護と慈善に対する学生の意識を養うことは、 小規模大学や総合大学における教育の使命である;
    • 大学は、慈善文化を促進し、公共福祉活動を支援し、社会的善行の基盤を固めるべきである。

著者メモ:

2020年初頭、世界愛犬連盟の創設者である玄陵は、「健康のために野生動物の肉をやめ、文明の為に犬猫の肉をやめる」ことを求めました。 偶然にも今年の両会では、全人代代表と政協委員達は、文明と環境にやさしい社会構築の観点から、犬猫や伴侶動物の食用を包括的に禁止する法案を提出しました。 犬猫の食用禁止に関する全人代の動議に対する 中央文明局の反応は、伴侶動物保護の問題が新たなレベルにまで上り詰めたことを示した。  中央文明局が主導権をもち、国が「健康のために野生動物の肉をやめ、文明のために犬猫の肉をやめる」時期であることを自覚するでしょう。

WDA中国地域ディレクター

劉媛媛

2021年3月15日